社会人2年目

 

 

 

私の部署で勤続10年を迎えた女性の先輩がいる。

 

その先輩が、年始の自己紹介でこんなことを言っていた。

 

 

「将来の夢は、スターバックスのブラックエプロンになることです」

 

 

私は衝撃だった。

 

なぜなら、ブラックエプロンになるには1秒でも早く今の仕事を辞めて、PARCOの上の階にあるスタバでバイトを始めるべきだからだ。

 

私は普段その先輩が、毎日のように「あ〜あ、仕事辞めたいな」と言いながらバリバリに仕事をこなしていることを知っていた。

 

新卒から10年働き続け、プロジェクトの代表になり、中間管理職としてのキャリアを築いていることを知っていた。

 

私はそのお茶目な夢を、冗談だと思えなかった。

 

自分の気づかなかった可能性に気付かされた私は、その日その先輩以外の自己紹介をを全て忘れている(ごめんなさい)。

 

 

 

 

 

「抹茶さんはこれからどうなりたいとかある?」

 

 

 

ずっと、ねえよ、と心の中で思いながらも「まだ分かりませんが、目の前にあることを一生懸命にこなしていくだけです。」と答えていた私の将来の夢。

 

 

課長?マーケティング部?上京?専門領域への配属?社長?お嫁さん??

 

 

 

 

最近できた。

 

ラジオパーソナリティーになりたいな。

 

我ながら良い夢だと思う。

 

 

 

わたし

 

 

 

 

 

 

生まれてこのかたアイドルオタクしかやってこなかった私。

 

 

 

幼稚園の頃の将来の夢は“モーニングむすめ。”

 

 

 

幼稚園の先生に“らいおんハート”を歌ってもらいながら縄跳びを跳ぶのが好きだった。

 

 

 

中学で周りの友達がバンドにはまる中、こっそり男の子と“AKB”の話をした。

 

 

 

大学生になり一人暮らしの部屋で“少年倶楽部”を夜通し何度も再生した。

 

 

 

 

 

 

もうすぐ社会人になる私。

 

 

 

 

私にとってアイドルってなんだろう。